歴史

  • 創業:明治7年(1874年)、栗林家5代目・栗林直治氏が秋田県六郷村(現・美郷町)で創業。
  • 地域背景:六郷は佐竹公の隠居地で商業の中心地。仙北平野の良質な米と豊富な地下水に恵まれ、かつては20以上の酒蔵が存在。
  • 戦時中の変遷:第二次世界大戦中は企業整備により仙北酒類製造(株)六郷南工場となるが、昭和30年に「合名会社 栗林酒造店」として復活。
  • 杜氏の継承:昭和44年から地元出身の亀山精司氏が杜氏を務め、昭和50年頃から純米酒の製造を開始。昭和60年には全国清酒鑑評会で初の金賞受賞。
  • 現在:平成20年以降は栗林直章氏が製造責任者として酒造りを担う。

酒造りの特徴

名水と仕込み水
  • 六郷は「名水百選」に選ばれるほどの水の町。地下25〜30mから汲み上げる軟水を使用。
  • 「栗林の仕込み水」と呼ばれる水は、蔵のそばにある栗の木にちなんで命名。
酒米へのこだわり
  • 主力は秋田県独自の酒造好適米「美郷錦」と「秋田酒こまち」。
  • 美郷錦は大粒でタンパク質が少なく、精米特性に優れ、純米大吟醸にも使用。
  • 地元農家との契約栽培により、品質向上と地域連携を図っている。
酵母と香味設計
  • 「亀山酵母」は蔵から分離・培養されたオリジナル酵母。亀山精司氏の名を冠している。
  • 春霞の味わいは、すっきりとした華やかな香りと爽やかな酸味、穏やかな旨みが特徴。
一本蔵の構造
  • トンネル状に100メートル以上続く「一本蔵」で、前蔵・仕込み蔵・槽場・貯蔵庫が連なる構造。
  • 雪深い冬の寒冷環境が、低温長期発酵に適しており、吟醸酒造りに理想的。

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