日本酒の「火入れ」とは、搾った酒を約60〜65℃で加熱し、酵素や微生物の働きを止めて品質を安定させる工程のことです。
「火入れ」は日本酒造りに欠かせない伝統的な工程であり、安定した品質を保ち、保存期間を延ばすための知恵です。冷蔵技術が発達した現代では「生酒」も広く流通していますが、火入れ酒は扱いやすく、料理との相性も良いのが特徴です。
火入れの目的
品質の安定化
日本酒には酵素や酵母が残っており、そのままでは発酵や風味の変化が続いてしまいます。火入れによってこれらを失活させ、味を一定に保ちます。
保存性の向上
火落ち菌(乳酸菌の一種)などの微生物を殺菌し、腐敗や劣化を防ぎます。
味わいの調整
フレッシュな酸味や香りが落ち着き、まろやかで安定した味わいになります。
火入れのタイミング
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通常は2回行う
- 1.搾った直後(貯蔵前)
- 2.出荷前(瓶詰め前) → この二度の火入れで、保存性と安定性を確保します。
味わいの違い(例)
- 生酒:もぎたてのリンゴのようにフレッシュで瑞々しい。
- 火入れ酒:煮リンゴのように酸味が落ち着き、甘みやコクが広がる。

